子づれ離婚を考えた時

開催日
2015年12月9日(水曜日)
開催場所
三重県総合文化センター内
講座タイトル
女性のための離婚講座 『子づれ離婚を考えた時 養育費、面会交流と子どもの気持ち』
講師
大森 順子さん(女性のための離婚相談 まえむきIPPO主宰 公益財団法人子ども情報研究センター
参加人数
24名

 フレンテみえの相談室には離婚の相談がたくさん寄せられます。「夫と離婚を考えているけれど、子どものためには我慢した方がいいのではないか」「子どもと父親を会わせるべきなのか?」といった悩みを抱える女性は多いです。

 そこで今年度は、『子どもを連れて離婚を考えている女性』を対象に、養育費や面会交流の実際や、ひとり親で育つ子どもの気持ちについて、講師の大森順子さんからお話しいただきました。シングルマザーから多くの相談を受けられている講師ならではの、説得力のあるお話でした。事例とご自分が重なるのか、時折涙を浮かべる参加者もみえました。それでも、ご自身の体験をふまえ、関西弁でユーモアも交えながらのお話に、会場は元気をもらいました。

印象に残ったお話をご紹介します。

離婚を決めることについて

「離婚を迷っている今が一番つらい時。気持ちが決まれば楽になり、新しい生活を始めたあとには、あのころの不安はなんだったのか、と思える時がきっとくる」

「生活を変えるのは怖い。それは子どもも同じ。子どもの気持ちはしっかり聴いて、それでも自分の気持ちを正直に伝えるしかない。変わることは悪いことばかりではない」

「『子どものために離婚はしない』と離婚をしないことを子どものせいにしないで。子どもは何でも分かっている。離婚を子どもに選ばせたりせず、する、しないは自分が決めて、自分で責任を引き受ける。そうしなければ子どもがつらい」

ひとり親になることについて

「子どもは一人で育てていくのではない。友達、先生、近所の人。必要な時に必要な人から支援を受けられるような自分であれば大丈夫。多くの人に育ててもらう方が、子どももたくさん幸せをもらえる」

「世間でいう『普通の家族』とは何なのか。実際は一人暮らし、二人暮らしの世帯が全体の60%を超えている。いろんな家族がいるなかの、ただ母子家庭になるだけ」

「子づれ再婚も増えている。親は何人いてもいい。形にとらわれる必要はない。再婚したから前の親と縁を切ることはない。たくさんの親がいて、それぞれに愛されたら子どもも幸せ」

面会交流時の複雑な気持ちについて

Q1.ひどい父親に会わせて子どもに影響を与えたくない
A1.「ひどい父親かどうかを決めるのは子ども。子どもが自分で判断する。たとえ子どもがひどいと感じたとしても、父親を憎む権利はある。それを奪ってはいけない」

Q2.たまに会う父親に優しくされて、そちらになついてしまうのではないか
A2.「父親になついているのは悪いことではなく、子どもにとってはいいこと。面会交流で子どもと離れている時間を、自分のために有効に使う。自分が楽しい時間を過ごすことができれば、子どもの楽しみも肯定できるし、子どもも楽しそうなお母さんを見ればうれしい」

Q3.父親が子どもに会いたくないと言っている
A3.「ありのままを伝えていい。伝えるしかない。嘘をついてもいいことはない。事実は受け止めるしかない。子どもがどう感じるかは子どもの問題」

参加者の声

  • 自分一人で考えているとネガティブになってしまうけど、講座を聞いて気持ちがとても楽になりました。子どもにもどう話したらいいか悩んでいましたが、自分の気持ちを正直に話したいと思います。
  • 子どもの気持ち、自分の今まで悩んできた気持ちを解説していただいたようで納得できました。涙が出ました。自分だけではないのだなと思いました。
  • 悩んでいることが少し吹っ切れた。まだまだお話を聞きたかった。実際に自ら離婚経験があり、相談に乗っている方のお話は、とても参考になった。講師がとてもあったかい人柄で、リラックスして話をうかがうことができた。
  • 前向きな気持ちになることができて良かった。まず自分が何をすべきかも少しわかった。いろんな考えを知ることができた。