平成23年度 フレンテみえエンパワーメントスクール 
夢みるゆめ子ちゃんと壁ぶちあたり子ちゃん
~幸せな人生のつくり方~

開催日
2011年9月17日、10月8日、22日(3日間 いずれも土曜日)
開催場所
三重県男女共同参画センター3階 セミナー室C
第1回目講師
片山 公子さん (日本女性学習財団専門職)、濱口 和美さん(キャリアカウンセラー)
第2回目講師
濱口 和美さん(キャリアカウンセラー)
第3回目講師
大槻 奈巳さん(聖心女子大学准教授)、片山 公子さん(日本女性学習財団専門職)

 この講座では、20~40代の女性を対象に、自分自身の自立したこれからのライフ・キャリアプランを描くことを目的に公益財団法人日本女性学習財団との共催で開催しました。
 講座では、自分のこれまでを振り返り、また周りの人間関係を整理しながら、5~10年後の自分がどう働き、生きたいかを考えました。そして、幅広い年代の“先輩”からこれまでの“働き方・生き方”のヒントを得たり、参加者同士がつながるなど、“仲間づくり”の機会にもなりました。

自分の“現在地”を知る

自分の“現在地”を知る

ライフプランを描く導入編として、今どういったことが不安なのか、また長期的な視野で自分自身がこれからどう生きていきたいのかなど、個人&グループワークを通して見つめました。
  講師の片山公子さん(女性学習財団専門職)からは、「女性の経済的な自立というのは、現時点で必要というだけではありません。女性の方が長生きですから、高齢者になった時に一人暮らしになる可能性が高いのです。全国的にも単身の高齢女性が増えており、貧困の問題があります。働いていなかったら年金で自活できないんですね。そうすると、目の前のことだけを見ているだけではだめなのです。少し長いスパンで自分の人生設計をすることが大事です」とライフプラン設計の重要性についてお話をいただきました。

人間関係を考える&“先輩”の話を聴く

人間関係を考え先輩の話を聴く

 ワークで、わたしを取り巻く“人間関係”を見直しました。また、“先輩の話を聴く”時間では、結婚や出産で辞めない働き方や、転職、起業、子育て等、等身大のお話を聞き、自分のライフ・キャリアプランを描くために参考情報の収集をしました。
 講師の濱口和美さん(キャリアカウンセラー)からは、「人間関係の掘り起こしが、これから活かせる人的な資源を見つめることにつながります」とのお話がありました。

先輩のお話紹介

伊藤 さなゑ さん(すし工房なばな代表)

伊藤さなゑさん

  JA全国女性部の会長をしているときに、様々な会議などで発言してきました。また県内の市町へ行って女性の農業委員を増やす運動もしました。海外の会議など出させていただくこともあり、尻込みなんかもしそうになったけれど、日本の代表で行かせてもらっているので、言うことは言わないとあかん!と思っていろいろ発言してきました。
 これまでチャレンジする中でいろんな壁もあったが、「失敗してもいいからやってみる」という気持ちって大事だと思います。

江崎 貴久 さん(旅館海月女将)

  一度地元を離れましたが、実家の旅館を継ぐことになりました。業績が伸び悩んだ時もありましたが、地元全体を良くしてかないと、旅館の運営もうまくはいかないことに気付きました。そこで、地域の人たちとつながりを作る努力をしたのです。また、小さいころから育った鳥羽の海を大事にしたいと、“環境”にも力を入れ始めました。
 いつも前向きだと言われますが、いろいろと壁がありながらも少しずつやり続けてきたように思います。キャリアとは少しずつでも小さいことでもやり続けて積んでいくことだと考えています。

中川 みゆき さん(株式会社キャリア・プレイス 営業マネージャー)

 10代の頃、人生のゴール、幸せのゴールは結婚だと思っていました。結婚・出産を経て夢を見た生活だったのに、なぜかモヤモヤした気持ちがあり、それを乗り越えるために、行動を起こし就職しました。パート社員から準社員になり、今までにない重圧感を感じ、責任ある仕事の意味に気付きました。そして、努力することが結果になる事を知ったのです。
 現在の仕事に就き、生きるとは、人生とは、キャリアとは・・・など自分自身と初めて向き合いました。結婚・出産などは自分のオプションにすぎないこと、自分がぶれては幸せはつかめないことに気付いたのです。
 つまずきや壁に当たることも大切です。いかに立ち上がれるか、いかに乗り越えられるかを勉強できます!仕事・恋愛など20~30代はつまずく絶好の年代。それを越えると40代では立ち直り上手、乗り越え上手な私になれると思います。

現代社会を知る

  今後のライフ&キャリアプラン実現に向けてのポイントや参考事例等を講師の大槻奈巳さん(聖心女子大学准教授)からお話いただきました。

大槻奈巳さん講義

大槻奈巳さん講義

  一般的に“キャリア”とは個人が一生のうちに就く職業の経歴のことを言いますが、最近はもう少し広く捉えるという見方が出てきています。今は職業だけでなく社会活動含めて個人の活動の連鎖として考えられるようになってきました。
 例えば、結婚して一旦仕事を辞めた人が、「私には何の誇れるキャリアもない」と思うこともあるでしょう。しかし、町内会の活動やPTA活動など、それらの積み重ねも社会活動キャリアとしてみなされるようになってきたのです。
 今後、日本の会社には、新卒を採用することだけでなく、自分自身で勉強して力をつけている人も採用する動きが拡大する可能性もあります。そうすると女性も様々な活動の中で自分に力をつけていけばまたチャンスにつながる可能性があります。
 日本の女性の働き方として“M字型”就業パターンが特徴的です。三重県の場合には全国に比べて特にこのM字型の谷が深いという状況です。女性がずっと働いていこうと思っても、結婚や出産で辞めざるを得ないことが多くあります。そうすると、女性は再就職や転職も視野に入れる必要があるのです。例えば、働き続けたいという意思を持った人でも、夫の転勤についていくために辞めざる得ない場合もあります。でも一度辞めると、結婚・出産後に仕事に戻ろうとしたときに正社員等良い働き口がないということがよくあります。
 そして、女性の方が平均寿命は長いのです。そうすると結婚していようが子どもがいようが最後は自分一人かも知れないし、自分で生きていくという気持ちは重要なのだと思います。
 こういう状況を踏まえ、今後どういう風にうまく自分の人生を作っていくのかという戦略を立てていく必要があるんじゃないかと思います。
 大事なことは、戦略を立てたことを、自分の毎日の中で実践することだと思います。“学ぶ”ことを目的としない。それを次の実践につなげることがとても大事だと思います。

わたしのライフ・キャリアプラン発表

わたしのライフ・キャリアプラン発表

  これまでの講座や大槻さんのお話を踏まえ、長期的に見たライフ・キャリアプランを未来日記として、最後に全体で発表をしました。
 「自立(自律)して生きていきたい」「自分らしく楽しく働きたい!」等、参加者からは前向きな発表がありました。

女子会でつながろう

女子会でつながろう

  講座の最後には、オプション企画で作成した手づくりの名刺を交換し、参加者同士和気あいあいと交流しました。
 そして、講座終了後もつながっていこうと「女子会」を結成しました。

オプション企画

“わたしをプロデュース!~お楽しみ名刺づくり” 
 仕事で使う名刺ではない、なりたい“わたし”を表現した名刺を作成しました!

映画「THEダイエット!」上映

  監督自らのカラダと心にカメラを向けた“体当たり”ドキュメンタリー関口祐加監督作品「THEダイエット」を上映。
 参加者からは、「自分を見つめるきっかけとなった」等の声がありました。

参加者の声

  • 人生の先輩、同世代の意見やそれぞれの人生が知ることができてよかった。
  • 考える時間、新しい考え方をもらった。考え方に幅が出た。
  • 否定されることの多い自分の考えも、同じように持っている人がいることがわかってよかった。
  • 自分だけの悩みでないことがわかった。   
  • 自分の考えを整理して表現することで、気持ちが楽になった。
  • 漠然とした生き方から地に足がついた生き方へ。