地域リーダー養成講座
連携連携・協働による実践プログラムin三重

開催日
2011年8月6日(土曜日)、8月7日(日曜日)
開催場所
三重県男女共同参画センター「フレンテみえ」2階 セミナー室A他 

平成23年度 地域リーダー養成講座
連携・協働による実践プログラムin三重

 国立女性教育会館(NWEC)が開発した平成20年度女性関連施設に関する調査研究報告書「連携・協働を推進しつつ、地域づくりに参画する人材が育つために」をもとに講座を実施しました。男女共同参画の視点を持って地域の課題を解決する人材の育成を目的として実施しました。

【1日目】

講座風景の画像

 “自分のまちを知ろう”というテーマで、統計や情報を活用して男女共同参画の視点を学習しました。
 講師の国立女性教育会館 森未知さんから統計の見方、活用方法について説明がありました。
 統計を使ったグループワークでは、統計を見て全国平均と比較し数値が高い点、低い点をあげ、そこから見えてくる三重県の特徴や現状について皆で話し合いました。例えば、都道府県別の学童保育設置率が全国平均より低い状況から、三重県は3世帯同居が多いのではないかといった意見が出されました。平成21年度にフレンテみえが作成した『統計で見る三重の男女共同参画』リーフレットも活用しながら全国と比較して、三重の状況をデータから読み解きました。

 次に、グループで自分たちの地域の問題を課題化するワークを実施しました。地域で問題と感じている点を出し合い、内容別に整理して地域の課題を話し合いました。参加者ごとに問題と感じている事はさまざまでした。

【2日目】

講座風景画像

 1日目に引き続き森さん、そして大阪府男女共同参画推進財団の仁科あゆ美さんを新たに講師としてお迎えし、課題解決のための具体的なプラン作りを進めました。
 プラン作りは、『課題』『テーマ』『ねらい』『対象』『内容』『効果』『連携・協働』の順番に考えていくという手順で進めました。『課題』は自分たちの住む地域でどんなことが問題として解決を急がれているかを考え、それをを元に『テーマ』を絞っていきました。『ねらい』『対象』は誰に、どんな風になって欲しいかを明確にし、『内容』については『対象』の方に適したアプローチを考えていきました。

 講師から「『連携・協働』はこれから事業を進めて行く上で大変重要です。さまざまな主体と連携・協働をすることで、地域の課題を詳細に捉える事ができ、また課題解決の糸口にも繋がります。男女共同参画は特定の分野ではなく、生涯学習センター、企業や文化センターなどのさまざまな社会的な資源と連携、自分たちでできないことを補いあえる先とつながることで、更なる効果が期待できます」とのお話がありました。

 各グループで講師からの説明に基づき、1日目に出した課題を解決するための具体的プランを考えました。

最後に各グループで企画した事業案を発表しました。

各グループの事業案発表の様子

各グループでできたプラン

グループ1

防災を考える場に女性の参画が少ない事を課題とし、防災の分野で、男女共同参画の視点で発信できる女性の人材を育成していく。

グループ2

意思決定の場へ女性の参画が少ない事を課題とし、自治会・各審議会・議会へ女性の参画を進めるためのスキルアップ講座を行う。

グループ3

地域の男性への男女共同参画意識の浸透がまだまだ進んでいない事を課題とし、家庭内での男性の生活自立を目指す。

グループ4

子育て世代の男性へ男女共同参画の意識があまり浸透していない事を課題とし、家事・育児に関わる事を通して男女共同参画の意識の浸透を図る。

グループ5

地域での男女共同参画の発信を課題とし、身近な地域で男女共同参画の講座がどれぐらい行われているかの調査を実施し、今後地域で講座が増えるように働きかける。

 以上のようなそれぞれの地域の課題を解決するためにプランを各グループで作成しました。講師から「各グループで出たプランをぜひ実現させてください」と励ましのメッセージをもらい、講座の幕を閉じました。

 2日間連続での講座になりましたが、参加者からは「事業の進め方の基本が学べ、自分のスキルアップに大変役に立った」「統計から見えてくる社会背景、このような事は今まで経験した事がなく、とても興味深かった。三重県のことも改めて考える事ができました」との声をいただきました。

 講座終了後各グループで、プランを実現させるために活動を始めています。自分たちの地域の課題を解決するため地域の行政、団体などと協働しながら実現に向けて進んでいます。今後の活躍をご期待ください!

講師紹介

森 未知さん(独立行政法人国立女性教育会館 情報課 専門職員)

国立女性教育会館(NWEC(ヌエック))とは
独立行政法人国立女性教育会館(National Women’s Education Center)は、女性教育指導者その他の女性教育関係者に対する研修、女性教育に関する専門的な調査及び研究等を行うことにより、女性教育の振興を図り、男女共同参画社会の形成に資することを目的としており、文部科学大臣より中期目標が示されています。ヌエックは、その目的を達成するために、「研修」「交流」「調査研究」「情報」の4つの機能を活用して各事業を実施しています。また、施設利用を受け付けており、研修・合宿などに男女を問わず幅広く利用できます。

仁科 あゆ美さん(大阪府男女共同参画推進財団 統括ディレクター)


大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)とは
ドーンセンターはあらゆる分野に男女がともに参加・参画し、いきいきと生活できる社会を実現するために、女性の社会的自立、情報ネットワーク、国際交流、文化表現の拠点としてさまざまな事業を展開しています。