若者向け講座
結婚!? ~彼と彼女のライフプラン~

20代、30代の若い世代の男女を対象に「結婚・仕事・生活」など結婚を通してこれからのライフプランを考える講座を行いました。講座では三重大学人文学部准教授の石阪さんによる講演と事例紹介、それを受けてグループワークを行いました。
石阪さんによる講演では、結婚に関する社会意識や現状についてのデータをもとに結婚後の生活にはどういったことがあるのかを、若者の就業観の変化(“働くことが人生の全て”から“仕事と家庭のバランスの重視”へ)、また結婚後の男性の家事・育児の現状(男性の育児参加率は年々増加しているが、日本の夫の育児参加時間が一定時間から伸びない。その背景には日本の夫の仕事時間が突出しており参加したくても参加できない状況がある)などからお話をいただきました。最後に『「結婚」とは自身の働き方を考えるきっかけである、結婚後も良い関係を築いていく為にも「働き方(生き方)の見直し」と「夫婦間のコミュニケーション」が必要』と話されました。
次に事例紹介として実際に育児休業を取得された方にお話を伺いました。お一人は一般企業で働き、その会社の育児休業取得第1号になった女性です。その女性は、以前男女共同参画に係わる仕事をしていたことや中国に留学した時に出会った女性のほとんどが仕事を持ち、自立して生き生きと働いている姿を見た経験から「女性だから」「子どもがいるから」ということにこだわらずに社会に出たいという思いを抱いたそうです。他にも家事・育児の苦労話、仕事と生活の両立などお話しいただきました。話の最後に「仕事を続けるには夫の協力は不可欠、これからも家庭のことを大切にしながら、仕事も続け、キャリアアップできたらと考えています」と話されました。
もう一人の方は県庁で育児休業を取られた男性です。同じ職場に育児休業取得経験のある男性がいたことや職場の理解があったことが取得のきっかけになったそうです。また育児休業中では育児だけではなく日常の家事の大変さをお話されました。この経験により子どもとの距離が近くなった。夫婦で家事育児に関わることで、どちらかが病気になったときなど、リスクを分担できる、また仕事と生活の両立を心がけることで仕事の効率も良くなったと、男性の日常からの家事・育児参加の必要性を呼びかけられました。
その後のグループワークでは3つのグループに分かれて「男性の家事・育児参加について」「仕事と家庭の両立」「結婚する上で大事に思うこと」の中からテーマを選び意見交換を行いました。
参加者からは、「結婚を前に実際に育児休業をとられた男性の具体的な話が聞けて新鮮だった」「生の声でとてもよく分かり、現実感が伝わってきました。」など大変好評をいただき、これからのライフプランを考える機会としていただきました。
石阪 督規 さん

(三重大学人文学部 准教授)
1970年東京都生まれ。広島大学 大学院社会科学研究科博士課程後期単位取得。三重大学人文学部講師を経て、2002年より現職。専攻は社会学。現在、伊勢市男女共同参画懇話会会長、亀山市男女共同参画推進条例検討委員会委員長、「みえの舞台づくり百人委員会」コーディネーターなどを兼任。自治体の男女共同参画や地域振興に関する計画や取り組みに数多くかかわるほか、近年は、大学でのキャリア教育や若者の就業支援、無業者対策にも取り組んでいる。ちなみに、講義での口癖は「結婚は、恋愛とは別物。自覚と戦略を持って臨むべし」。