日本まんなか共和国 男女共同参画フォーラム2008三重
つながる ひろがる 新たなステージへ
4県の皆さんが共に語り話し合うために集まりました!
滋賀、福井、岐阜、三重の4県知事サミットでの提案を受け、各県の団体やグループが集い、共に語り、交流を深めるとともに、男女共同参画社会の実現に向け、4県の交流を図ることを目的に2001年から開催しています。今年は、2巡目を三重県で迎えました。テーマを「つながる ひろがる 新たなステージへ」とし、講演会のほか分科会では「環境」「観光」「女性のチャレンジ支援」「ワーク・ライフ・バランス」と様々な分野で情報交換を行いました。
午前の部
記念講演
「新たなステージに向けた男女共同参画の推進」
講師 板東久美子さん(内閣府男女共同参画局長)
「現在、諸外国と比べて男女の収入に大きなひらきがあり、就労の格差が大きいことが問題である。それに対し、国では、ワーク・ライフ・バランスや女性のチャレンジ支援などの施策を進めている。地域での具体的な課題を解決するにあたっては男女共同参画の考えに立つのが基本である。
そして、現在、具体的且つ実践的に活動するという第2ステージにたっている。市町村が男女共同参画の枠組みを持って地域単位で取り組むことが大切である。そのためには基本計画が総合的に進める上でベースとなる。
あらゆる分野で男女共同参画の視点を入れていくということが重要であり、それが多様性を生かしてしなやかで活力ある社会(=ダイバーシティ)をつくっていくことにつながる。」とお話しされました。
それぞれの会場で県境を越えた交流がなされました。その一部をご紹介します。
「環境」分野のアピールタイムでは、学生さんがキラキラ輝く目で3R(Reduce、Reuse、Recycle)をアピールしていました。また、「いつもとなりに環境」をテーマに10年間取り組んでいる女性たちのアピールには大きなエネルギーを感じました。また「観光」分野のアピールタイムでは、手作りで資源を生かしたまちづくりをアピールし、飛び入りでオカリナ演奏を聴くことができ、楽しい交流を持つことができました。また、「交流せんだら答えが出せやん」クイズのシートをもとに他県の方とお話する参加者の姿が多く見られました。
午後の部
分科会の報告
午後には、5つに分かれて分科会を開催しました。各分科会で話し合われた内容をご紹介します。
第1分科会 文化棟 中ホール
環境の分野における男女共同参画~地球温暖化防止に向けて~
<コーディネーター>
朴 恵淑さん(三重大学人文学部文化学科教授)
<参加団体>
滋賀県:おおつ環境フォーラム 生活の見直し学習研究グループ
福井県:つるがまちづくり萩の会
岐阜県:NPO法人 ピープルズ コミュニティ
三重県:きれいな伊勢志摩づくり連絡会議
環境について取り上げたこの分科会では、地域と協力する事が地球温暖化防止になっていくという確認ができました。
「心のふるさとをきれいに」や「町の中の緑ではなく、緑の中の町を」といった団体の理念が心に残りました。具体的な活動には、生ゴミの堆肥化や植樹などがあり、男女ともに個人でも多くの人と一緒でも行う事もできるような幅広い活動が報告されました。分科会を通して、『身の丈にあったことを少しでも行っていくことが大切である』とまとめられ、今回もマイ箸やマイカップで実践されていることが印象的でした。
第2分科会 文化棟 レセプションルーム
観光の分野における男女共同参画~まちづくりの視点で~
<コーディネーター>
吉田 昌弘さん((株)日本開発研究所三重代表取締役所長)
<参加団体>
滋賀県:東近江市五個荘観光ボランティアガイド協会
福井県:越前市男女共同参画センターあんだんて学習グループe-lifeえちぜんや
岐阜県:いき粋墨俣創生プロジェクト
三重県:伊勢志摩国立公園 エコツアー海島遊民くらぶ
それぞれの県が、文化財や特産物を使ったおみやげなど、特色を生かしながらまちづくりを進めています。まちづくりに力を入れることは、他県民にすばらしさを伝えるだけでなく、観光を利用した地元の産業の復興、町おこしにつながっています。このような取組は、地元に根ざした生活者・消費者としての視点が重要となるため、女性から発信される企画や実践が大きく貢献しています。また、まちづくりには、行政など各機関との関わり合いを築いていくことが大切になってきます。
第3分科会 フレンテみえ 多目的ホール
女性のチャレンジ支援 ~上へのチャレンジ、横へのチャレンジ、再チャレンジ~
<コーディネーター>
坂倉 加代子さん(NPO法人四日市男女共同参画研究所代表理事)
<参加団体>
滋賀県:NPO法人子育てネットワーク志賀 うりぼう
福井県:ふくい女性ネット
岐阜県:岐阜県女性海外派遣団「蕗の会」
三重県:国立大学法人三重大学 女性研究者支援室
子育て中の人が、子育てを支援することで自己実現を果たしたり、行政と市民が協働で女性のスキルアップや企業の環境整備をすること、女性による海外研修をきっかけに国際的視野から地域の男女共同参画を見直すなど、女性のチャレンジについて発表がありました。
また、女性がさらに、理系への進学や就職にチャレンジできる社会を目指し、研究と育児のバランスをとるための支援が行われているが、実際には、結婚後に固定した場で研究を続けることはまだ困難であるという現状が指摘され、今後の課題として残されました。
第4分科会 フレンテみえ セミナー室A
ワーク・ライフ・バランス ~男性の家事・育児参画~
<コーディネーター>
石阪 督規さん(三重大学人文学部准教授)
<参加団体>
滋賀県:長浜こどもネットワーク
福井県:特定非営利活動法人 子育てサポートセンター きらきらくらぶ
岐阜県:特定非営利活動法人 ぎふママネット
三重県:ちょいワルおやじの会
「男性は子育てしなくてよい」と考えるのではなく、今の子育てには男女問わず、それぞれの個性・能力が求められています。各団体は、地域と家庭をつなぐ「きっかけ」となっています。また「子育て支援」といっても、情報面での支援、ママの自立支援、親同士の交流、パパの子育て力向上と様々な取組があります。「子ども」という枠にとらわれず、「子育て支援」とは、広い意味で「人」を支援することだということに気付かされました。
特別分科会 フレンテみえ セミナー室B
これからの「日本まんなか共和国の男女共同参画」
<参加者>
滋賀県・福井県・岐阜県・三重県 代表者
2巡目の締めくくりとしての結果報告と総括、3巡目に向けての課題を座談会形式で話し合いました。2巡目までの間に女性の登用率の向上、各団体の交流の深まり、活動支援センターのオープンなど、確かな前進が確認されました。3巡目に向けては、フォーラムで話し合われたことの具現化、男女平等への取組について足りない部分などが話し合われました。
具体的には、企業への取組、政治などへの女性参画が少ないことや、DVなどです。この活動を良くしていくために、次世代の育成が必要であることが確認されました。
全体会・閉会式の報告
全体会・閉会式 文化棟 中ホール
各分科会からの報告が行われました。それぞれ充実した有意義な分科会になったようです。各県からたくさんの参加者にお越しいただき、互いに情報交換し交流を深め、盛大なフォーラムとなりました。このフォーラムでこれまでの成果を確認し合いました。これが新たなステージにつながることを期待しています。
作成:フレンテみえ記者クラブ(学生):山本和希、山本裕信、冠 雅人、佐藤沙穂、浦 知世、伊藤亜季、田中奈津美、山本大進、大日方政之、加納岳拓、松下知世、松野いづみ、浅沼絵美里、増田 融、宮脇弘光、荒木大輔、
日本まんなか共和国男女共同参画フォーラム~2008三重~実行委員会