平成20年度 再就職準備セミナー ~再就職を成功させるために~

開催日
2008年7月10日(木曜日)、17日(木曜日)全2回
開催場所
三重県男女共同参画センター「フレンテみえ」  3階 セミナー室C
第1回講師
伊藤 登代子さん(有限会社キャリア・プレイス 社長)
第2回講師
平松 和子さん(平松労務事務所 社会保険労務士)
主催
21世紀職業財団 三重事務所
共催
津市商工観光部商業労政振興課、三重県男女共同参画センター「フレンテみえ」

 妊娠、出産、介護等さまざまな理由で仕事を辞めたけれど、再び働きたいという方を対象に、再就職に必要な基礎知識を身につけるセミナーを2回にわたって開催しました。セミナー終了後には、再就職を具体的に進めるための「再チャレンジサポートプログラム」の説明もおこないました。

第1回「自分を生かすキャリア・デザイン」

伊藤さん

 第1回目は、「自分を生かすキャリア・デザイン」をテーマに、講師の伊藤さんにご自分のキャリアの経験をもとに、お話をしていただきました。
 伊藤さんは、結婚を機に仕事を辞め、専業主婦になり、子育て期間を経てもう一度働こうと行動を始めました。「まず、学習塾で講師のアルバイトをしたことで、子どもたちの成長を目の当たりにして、「自分は何をしたいのか?」と真剣に考えるようになりました。同時に健康診断で「要検査」となり、初めて「死」を意識したことで、死ぬくらいなら何でもできる、と様々なチャレンジを開始しました。スーパーでのアルバイトや、コンピューター会社での入力の仕事を経験し、本当に自分がしたいことは女性を元気にする仕事であると気づき、名古屋で開かれていた女性企業セミナーに参加しました。それを機に、女性の自立支援を目的としたNPOを設立し、その後現在の会社である「キャリア・プレイス」を設立しました」

講座風景

 「自分のやりたいことを仕事にした後、仕事と介護の両立という問題に直面しました。その際に、「仕事を辞める」という発想はなく、続けるためにどうするべきかを考えました」参加者の方々にも「育児や介護と仕事の両立に直面したときに、辞めるのではなく、続けるためにはどうしたらいいかを考えてください。そして、自分一人で背負わず、家族や行政やNPO等のサポートを使ってください。」とアドバイスされました。
 最後に、「再就職で一番大事なことは、まず一歩を踏み出すこと。チャレンジしないことが最大のリスクです。失敗を恐れないでぜひチャレンジしてください。」という心強い言葉で講座を締めくくりました。
 参加者からは、「仕事を続けるための工夫のできる自分でありたいと思いました。そのための環境作りを今からしていきたいです。」「自信がなく、一歩を踏み出せなかったが、頑張ってみようと思いました。」等の感想をいただきました。

伊藤 登代子 さん

(有限会社キャリア・プレイス 社長)
1958年三重県津市生まれ。三重短期大学卒業後、就職・結婚・専業主婦へ。アルバイトや市民活動始め、塾講師・スーパー店員など様々な職業を経験。1997年三重県で初めて「女性自立支援NPOあいむネット」設立。2004年「有限会社キャリア・プレイス」設立。インターネットを活用した女性ネットワークを組織化し、三重県の女性マーケティングビジネスを展開している。
受賞:国際ソロプチミスト三重「女性のために変化をもたらす賞」2005年
著書:「夢をかたちにした女性たち~三重県女性企業家30人物語~」2003年出版

第2回 「再チャレンジを成功させる法律の基礎知識」

平松さん

 第2回目は、「再チャレンジを成功させる法律の基礎知識」をテーマに講師の平松さんより、社会保険労務士としてのお立場から、仕事をする際の基本的な法律知識についてお話していただきました。
 まず、再就職をするにあたり、自分に対して、家族に対して、入社を希望する会社に対して「何を期待するか」を自分なりに整理することの大切さからお話をされました。

 労働基準法の概要を説明していただき、労働条件や待遇、賃金にいたるまで働く原則は法律が定めている、ということを解説していただきました。また、労働法の最近の大きな変化である「パートタイム労働法」「労働契約法」や、雇用保険等の社会保険についても具体的な解説をしていただき、「若いときの頑張りが老後を左右します」「法律を知ることで、仕組みを理解し、活用することができます」とのアドバイスもいただきました。
 また、法律についての解説の他に、仕事をするうえでの、大切な心構えについてのアドバイスもしていただきました。「みなさんが仕事をしたい根拠は何でしょうか?一人の人間として、社会に堂々と立って生きていきたいためではないでしょうか。子どもが巣立ったあと、夫も定年退職を迎えたときに、自分の生活を堂々と確保できる根拠を持ってください。人任せにしないで、自分の生きかたは自分で見つけてください。そのためにコツコツ努力をしてください。そして、何事も不可能と思わないでください。可能にするためにどう努力すればいいのかを考えてください。」とのアドバイスで講座を締めくくりました。

講座風景

 参加者からは、「法律について知らないことがたくさんありました。今日学んだことを更に勉強して、再就職チャレンジに役立てたいと思います。」「本質を突いた、大変元気の出るお話でした。不可能をなくす努力、一歩を踏み出せるよう今日から心がけます。」「法律の話以外にも、働くために何が一番大切かを教えていただきました。」などの感想をいただきました。

平松 和子 さん

(平松労務事務所 社会保険労務士)
1992年平松労務事務所設立。講演活動を開始。1992年~2001年(株)日本法令社会保険労務士受験・開業講座主任講師。2000年(社)日本機会設計工業会派遣元管理責任者研修講師、全国社会福祉協議会労務管理講座講師。
「社員の元気が会社の元気」をモットーに会社にも社員にも、法律を職場に正しく活かし、堂々と社会に誇れる職場を創り続けるための知識と知恵の指導及び職場の改善、諸規則の作成・活用などへの取り組みと講演活動を行っている。