平成23年度 女性のための自己尊重トレーニング

開催日
2011年5月14日、21日、6月11日、18日、25日(全土曜日)10時から12時
開催場所
三重県男女共同参画センター 「フレンテみえ」  3階 セミナー室C 他
講師
具 ゆりさん(ウィメンズカウンセリング名古屋YWCA、フェミニストカウンセラー)
チラシ画像
この講座は 「女性のための 自己主張トレーニング」とともに、毎年人気の講座です。今年は30〜50歳代を中心に20歳代の方のご応募も多数ありました。
 講師の具ゆりさんからご自身の体験を交えた分かりやすい説明を様々な角度からいただき、受講生一人ひとりが自分自身についてじっくり考えたり、2・3人のグループで話したりという時間があり、自分を見つめるよい機会としていただけたようです。
 全5回の連続講座として開催しましたが、みなさん最終回まで意欲的に参加され、大変好評のうちに終了しました。

この講座は 「女性のための 自己主張トレーニング」とともに、毎年人気の講座です。今年は30〜50歳代を中心に20歳代の方のご応募も多数ありました。
 講師の具ゆりさんからご自身の体験を交えた分かりやすい説明を様々な角度からいただき、受講生一人ひとりが自分自身についてじっくり考えたり、2・3人のグループで話したりという時間があり、自分を見つめるよい機会としていただけたようです。
 全5回の連続講座として開催しましたが、みなさん最終回まで意欲的に参加され、大変好評のうちに終了しました。

学んだこと

自己尊重とは?

 まず自己尊重とは「ありのままの自分を受け入れること」です。人は、①長所と短所、強さと弱さ、好きなところと嫌いなところとを持っている②失敗すること・変化することがある③人との関係には、愛する・憎むなどあらゆる感情がある(感情は、お腹がすく・眠いなどと同じ生理現象であり、感情に良い悪いはない)④能力には限界がある、という存在です。
 自己尊重するためには、まず、長所短所などありのままの自分自身を知り、他者との違いも含めて自分を認めていくのです。

自己尊重感が持ちにくい社会的要因とその背景は?

 女性が自己尊重感を持ちにくい理由として、「妻だから嫁だから母親だからこうあるべき」「女だからこうあるべき」という旧来からの固定的性別役割分担意識による社会からの圧力(外的抑圧)を受けることが挙げられます。また、その社会の中で育つことにより自分でも「そうあらねばならない」という思い込み(内的抑圧)を持ってしまうのです。そして、そう出来ない自分を責めてしまうことにつながります。

女性が持ちやすい思考パターン

 女性が持ちやすい思考パターンとして①他者優先(自分を犠牲にする・後回しにする・ないがしろにする)②過剰責任(断れない、頼めない、人の面倒を見すぎる、おせっかい)③完璧主義(「〜であるべき」にこだわる、自分にOKが出せない)などがあります。これらの思考パターンを持っていることで、自分自身を苦しめていることがよくあります。
 これらの思考パターンは、旧来からの固定的性別役割分担意識のために女性が持ちやすくなっているものです。自分を苦しめている思考パターンは、このような意識から離れることで手放すことができます。

様々なワークに取り組む

 自己尊重感を高めるために、こうあるべきと身に付けてしまった価値観、また、どんなときに幸せを感じるかなど様々な角度から、自分を知るためのワークに取り組みました。自分自身を見つめ、グループで自分自身について話し、他の人の話を聞く中で、人と共通すること、違うことなどに気づいていきました。
 受講生は、グループでの話し合いで表情も和らぎ話しも弾んでいました。

講座風景

講座を終えて

 自分を見つめ他の人の話を聞く中で、「辛いのは自分だけじゃなかったんだ」「人と違ってていいんだ」と感じて、少し楽になったという方もいました。
 自己尊重ができるようになったと実感できるためには、今回学んだ方法で自分を見つめ続けていくということが大切です。フレンテみえでは、自分自身について安心して語り合えるようなグループ作りを、受講生に呼びかけています。
 今年度は、有志のグループ「ジュライ」が発足しました。メンバーたちは、講座終了後もフレンテみえで、自分を見つめるために様々なテーマで語り合い(CR)を続けています。

※CRとは?

 女性たちが定期的に集まり、自分たちが関心をもったテーマについて少人数のグループで話し合うというグループ活動です。CRに参加し、自分の経験を話し合うことで、性差別的な状況に気づき、社会の中でそれぞれが目指す多様な生き方を可能にする力を身につけていきます。

講師から一言

 「自己尊重」というキーワードに魅かれた参加者には、それぞれの参加動機や期待、女性特有の共通する問題もありました。トレーニングでは、相互尊重と安心感を確認しながら、一人一人が「わたし」の課題に向き合う時間をもちました。講座を通して、「大切なわたし」の存在を認めあい、共有する時間になったと思います。

具ゆりさん画像

具 ゆりさん

ウィメンズカウンセリング名古屋YWCA所属
フェミニストカウンセラー

フェミニストカウンセリングのほか、各地で、コミュニケーション・スキル、アサーティブネストレーニング゙、自己尊重トレーニング、子ども・女性の人権、男女共同参画、ジェンダー等の講義・講座・講演などの講師として活動している。

参加者の声

  • 自分自身を受け入れることができたと思いました。他の方のお話を聞くことができ、色々な考え方があっていいのだと感じました。
  • 自分では自分のことが分かっていなかったことに気づいた。他の人が言っていることが自分に当てはまるので、たくさんの安心をもらった。
  • トレーニングを受ける前は、自分を変えたくてしょうがなかったんですが、今は、今の自分を大切にしたいです。
  • ジェンダーなどのお話や、受講生にみなさんと触れ合うことで、自分の中の悩みも少し軽くなったような気がします。
  • 自分を理解して少しずつほぐれていくことが分かりますが、この場を離れると現実に戻ります。話す機会にできるだけ出席したいと思います。