活動内容

三重県文化会館がOiBokkeShi主宰の菅原直樹さんとタッグを組んだアートプロジェクト。 私たちにとって身近なテーマとなりつつある「介護」と「老い」という2つの視点から、県内各地で3年にわたる事業を展開しました。いずれも医療・介護の両面から専門家を招き、3年間の記録を分析・調査。2019年にはそれらをレポートとしてまとめ、冊子を発行しました。2020年からは、これまでの知見を県内に還元するため、老いのプレーパークによる出張公演+体験講座を1年1市町で展開していきます。

介護を楽しむ

介護の現場に携わる職員の方々や、専門学校の先生・生徒、認知症の人とそのご家族、また今後の高齢社会を担う子どもたちに向け、講演会や介護に演技を取り入れたワークショップ(体験型講座)を開催。介護する側・される側のより良いコミュニケーションを考え、新しい介護のモデルケースづくりに取り組みます。

◆介護に寄り添う演技体験講座

遊びを通してリハビリを行う「遊びリテーション」や、認知症の人とのコミュニケーションを考えるロールプレイングなど、介護に演技の手法を取り入れることで、介護する側もされる側も、お互いがもっと楽に気持ちよく過ごせる、ちょっとした気づきを得る体験講座です。

介護に寄り添う演技体験講座

プログラム

①遊びリテーション~老いを受け入れるヒントは遊びにある!?~
遊びリテーションとは、認知症の人や障がいを持ったお年寄りに「遊び」を通じてリハビリをしてもらう方法論です。身体を使った遊びは演劇の原点です。「できる」「できない」にこだわらず、「できない」ことすら楽しむ、遊びの価値観を介護現場に持ち込みましょう。

②認知症の人とのコミュニケーションを考える~認知症の人の言動を正すのではなく、演技で自然に受け止めよう!~ 
《認知症の人を囲んで》
5人一組で雑談をしてもらい、その中の1人に「認知症の人」役になってもらいます。「認知症の人」には、演劇の台本を渡し、周りが雑談をしているときに好きなタイミングで台本に書かれている台詞を発してもらいます。周りがその脈絡のない言葉に対してどのような態度をとるかによって、認知症の人の気持ちを体感してもらいます。

《イエスアンドゲーム》
介護士の食事の声かけに対して、食事に行きたがらず「田植えする」と言う認知症の人。参加者に「介護士」役と「認知症の人」役を交互に演じてもらい、認知症の人の言動を受け入れるコミュニケーションを体験してもらいます。
こういったシアターゲームを通じて、認知症にはどういった中核症状があり、BPSD(行動心理症状)が生じるメカニズムについて解説します。

③ショートストーリーをつくる~介護職員は老人の人生を紐解き、個性を引き出す演出家!~
②の発展形。それぞれ人生にまつわるアンケートに答えて、皆のエピソードをもとに認知症になった「わたし」とその周りの人々が登場する介護現場の1シーンを創作します。

◆見る・知る・感じる、認知症ケアの知恵ぶくろ

認知症サポーター養成講座、認知症カフェ、講演会といった多彩なプログラムを用意。今認知症に向き合っているご本人やご家族、介護職の皆さん、またこれから関わるであろう誰もが、1日を通して複合的に認知症について学べるイベントです。

認知症サポーター養成講座
認知症サポーター養成講座
認知症カフェ
認知症カフェ

明るく老いる

それぞれの人生を振り返りながら、老いをポジティブに捉えるワークショップを開催。2年目以降、ワークショップで出会った仲間とともに、生きがいづくりを目的とした集団「老いのプレーパーク」を立ち上げます。2018年12月には三重県文化会館小ホールにて発表イベントを開催予定です。

◆老いのリハーサル

まだまだ自分の老後が想像できないという世代も、老いに直面し様々な悩みを抱えている世代も、演劇を通して老いた自分をリハーサルすることで、不安を解消したり、老いに前向きになることができる3回シリーズの演劇ワークショップです。

プログラム

第1回~2回
「介護に寄り添う演技」体験講座の【①遊びリテーション】【②認知症の人とのコミュニケーションを考える】【③ショートストーリーを作る】を、じっくり体験・発表。

第3回
参加者に老いの良い所・困った所を書き出してもらい、よりよく老いるためのアイデア(商品や仕組み、イベント、場所等)を考える。それらのアイデアを企画書にして、それぞれのグループで30秒のCMを創作・発表。

《出てきたアイデア》 
・どこでもマイカー ・メルシャンよみがえ~る ・ドラえもんドアカフェ ・老~いガチャルーム
・どん亀運動会 ・スーパーアイ(愛)・かがやくメガネ!

老いリハ1
老いリハ2

◆老いのプレーパーク

よりよく生きるヒントは、「遊び」の中にある。2018年6月から定期的に集まり、「遊び」をテーマに活動する仲間を募集。定年退職したシニア、理学療法士、介護真っ最中の主婦や、認知症のお母さんとその娘さんなど、様々な顔ぶれのメンバーが活動しています。老いのプレーパークの活動を追ったドキュメンタリー「老いてこそ~あなたの居場所はどこですか?~」(三重テレビ)は中部テレビ大賞(2020)優秀賞を受賞。みなさんで遊びながら「老い」「ボケ」「死」の幸福なストーリーを編み出しましょう。