講座ボランティア企画 シリーズ文学(2回連続講座)【『源氏物語』と『紫式部日記』から紫式部を読み解く】の事業報告

開催日
2024年2月25日(日曜日)、3月3日(日曜日)
開催場所
三重県文化会館小ホール(三重県総合文化センター内)
開催時間
13時30分から15時30分まで
講師
河原 徳子さん(日本文学研究家)
参加人数
221人(2月25日) 205人(3月3日)
参加費
無料

20年以上続く講座ボランティア企画「シリーズ文学」。今回は、今年注目を集めている「紫式部」がテーマです。

講師:河原徳子さん(日本文学研究家)

【チラシ文】藤原道長一族が栄華を極めた時代、紫式部は道長の娘 彰子に出仕していました。対抗する勢力、藤原道隆の娘中宮定子に出仕したのが清少納言。なぜ紫式部は『源氏物語』を書いたのか、なぜあんなに清少納言を悪く言ったのか紫式部を読み解いていきます。

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「紫式部って本当にいたんでしょうか?」
講師の問いかけから講座はスタートしました。
大河ドラマでも話題の紫式部ですが、身分が高くないので、実際の生没年や本名ははっきりしないそうですが、複数の書物から970年頃、藤原為時の次女として誕生したと推測され『源氏物語』に描かれた身分差により生ずる問題は自らの体験によるものであろう…と解説がありました。ちなみにドラマの時代考証担当・倉本一宏さん(国際日本文化研究センター教授)は津高等学校の出身だそうです。

満員の会場

また『紫式部日記』において親王誕生から1か月後、帝が我が子が初めて対面する場面では、神輿の上の帝の華やかさではなく、船楽を這いつくばりながら支える労働者の美しさが虚無的に描かれています。当時は「文章を書く」よりも「和歌を詠む」方が格上であったそうです。

そして『源氏物語』は全54帖からなる長編で、紙が大変貴重な時代に400字詰め原稿用紙2400枚の作品を遺せるのは、それを経済的に支える支援者がいたこと示しているとのことでした。
講座の中では「中学生でも理解できるように書かれている」という瀬戸内寂聴の現代語訳、つづけて原文を会場の皆さんで群読し、目だけでなく、自分の声を聴くことで耳でも味わってほしいと呼びかけられました。

来場の方々からも「とても分かりやすかった」「講師の朗読の声が心に響いた」などの声をいただきました。

ロビーでは、講師の最新刊が販売され、購入した方のサインを求める列もできました。

  • 熱心にメモを取られる姿も
  • 文字を追いながら群読します

  • 20年以上続く講座です

  • 講師の著書(最新刊)の販売
  • 講師のサインを求める列

  • 講座ボランティアさんも運営に携わっていただいています

参加者の声

  • 堅苦しくなく古典を教えていただき何十年ぶりにまた勉強したくなりました。
  • 分かりやすかった。朗読で目と耳の両方で味わえ新鮮だった。今後、自分でも声に出して読んでみようと思った。
  • 大河ドラマの放映などタイムリーな講座に興味を持ってきてました。また、先生の話し方や内容がよく通る声で楽しめました。
  • このような素晴らしい講座が無料で聞くことができて大変ありがたいです。
  • 2時間があっという間でした。音読させていただき作品の流れもよく分かりました。また、先生の朗読の素晴らしさが印象的でした。
  • 紫式部の『源氏物語』に託した意図のようなものが見えて良かったです。これまでと違った視点で源氏物語を読むことができました 。