講座ボランティア企画 第89回名盤を聴くレナータ・テバルディ特集 第2弾の事業報告

開催日
2024年2月2日(金曜日)
開催場所
三重県文化会館 小ホール
開催時間
13時30分から15時30分まで
講師
梶 吉宏さん(三重県文化会館館長)
参加人数
81名
参加費
無料

今年度の最後を飾るのは、クラシック界の重鎮に讃えられ、あのマリア・カラスと人気を二分したイタリアのオペラ歌手、レナート・テバルディ、2009年以来の第二弾として、名演を講師の解説と共にお届けしました。

講師:梶 吉宏 三重県文化会館 館長

【チラシ文】多くの名歌手を輩出した〈美声の産地〉として名高いペーザロに生まれ、第二次大戦後のイタリアオペラ界に一時代を画したソプラノ歌手。ミラノ・スカラ座の黄金期に活躍し、マリア・カラスと人気を二分し、人々を魅了しました。彼女のデビューに尽力した作曲家ザンドナイは「五十年に一度の声、いやもっと稀なもの」、巨匠トスカニーニは、「天使の声」と美声を称え、世界的な名声を得ました。

テバルディの豊麗な声と美しい歌いぶりを講師 梶館長に紹介していただきます。

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寒い中、多くの方が足を運んでくださいました

なじみのある「お父様にお願い」(歌劇『ジャンニ・スキッキ』より)からこの日の講座は始まりました。

講師によると、テバルディの全盛期は50年代から60年代とのことでこの日のプログラムもすべてこの時期のものです。

プログラムの中盤では、プッチーニの歌劇『トスカ』の中の代表曲「歌に生き恋に生き」について、テバルディとカラスの聴き比べを行いました。講師からは「どちらがいい、悪いではなく、違いを感じていただけたら」と解説があり、同じ曲でありながらも前者と後者では雰囲気が大きく違い、表現方法も異なることが伝わってきました。

引退後の1981年、パリ・スカラ座で収録されたインタビューでは、自身のキャリアを振り返り、「拍手は努力と犠牲への最高のごほうび」だと語り、結婚観や噂されたマリア・カラスとの不仲説についてもエピソードを交えながら率直に語っていました。

アンケートでは「今まで大きくオペラに興味はなかったが、今回で印象が変わった」や「レナート・テバルディの声は永遠」「カラスは『役者』であることがわかった」などの感想をいただきました。

  • レナータ・テバルディ(「歌に生き恋に生き」)

  • マリア・カラス(「歌に生き恋に生き」)

  • 「名盤を聴く」一覧を振り返る講師

【プログラム】

1.プッチーニ:歌劇『ジャンニ・スキッキ』より ~お父様にお願い~   
           (指揮) エルネスト・バルビーニ
            CBCフェスティバル・オーケストラ
                         (1956年)  
2.インタビュー (ミラノ・スカラ座にて)
                           (1981/1982年)
3.ヴェルディ:歌劇『アイーダ』より  ~勝ちて帰れ~
              (指揮) ヘルベルト・フォン・カラヤン
               ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
                            (1959年)                           
4.プッチーニ:歌劇『トスカ』第2幕より   ~カヴァラドッシとの2重唱~
5. 同上         ~歌に生き恋に生き~
              (カヴァラドッシ) ジャンニ・ポッジ
              (指揮) アルトゥーロ・バジーレ/NHK交響楽団
                         (1961年 東京文化会館)
6. 同上         ~歌に生き恋に生き~
              (トスカ) マリア・カラス
              (指揮) ジョルジュ・セバスチャン/パリ・オペラ座管弦楽団
                                      (1958年)
                      
          ――――――― 休 憩 ――――――

7.マスカーニ:歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』より
              ~ママの知るとおり~              
8.ポンキエルリ:歌劇「ジョコンダ」第4幕 より  ~自殺~
9.プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」第2幕より  
             ~ある晴れた日に~
             ~蝶々さんの死(かわいい坊や)~
              (指揮)ドナルド・ヴォールヒース / ベル・テレフォン・アワー オーケストラ                                                                                                                                                                           (1967年)
10.プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」第1幕 フィナーレ
            (ロドルフォ) ユッシ・ビョルリング
               (指揮) マックス・ルドルフ/ ショウケース・シンフォニー・オーケストラ
                                                                     (1956年)

参加者の声

  • 「天使の声」と言われたのが納得しました。
  • 歌劇をあまり聞くことがなかったので レナータ ・テバルディの名前は 初めて耳にしました。とても美しく迫力のある声で素晴らしかったです 。
  • 本当に素敵な歌声で 表現者として素晴らしい人だと思いました。テバルディとカラスの 聴き比べ、 ここでしか味わえない企画で良かったです。
  • 3年ほど「 名盤を聴く」を欠席いたしましたが このような広いホールで聞かせていただきありがとうございました。 2年後ぐらいで100回を迎えますね 。まずはその時を楽しみにしております。