NIPPONの原点を学ぶ 三重の魅力発信セミナー(三重県生涯学習センター×皇學館大学)
「 「海」と「山」の熊野古道-人々はなぜ山路を歩いたのか」の事業報告
三重県生涯学習センターと皇學館大学との生涯学習振興に関する連携協定に基づいて実施する「NIPPONの原点を学ぶ 三重の魅力発信セミナー」。
本セミナーは三重県生涯学習センターの広報・企画力と皇學館大学の学習資源を併せたアウトリーチ事業の取り組みの一環で、東京三重テラスから三重の魅力を全国発信しました。
今年のテーマは熊野古道。
何故、人々が熊野詣に険しい山路を選んだについて、文献を紐解きながらお話しいただきました。
時は平安時代末。院(上皇)の熊野詣をきっかけに、熊野詣ブームが巻き起こります。
『平家物語』には、平清盛が伊勢の海から船を使って熊野参りを行ったという記述が残り、山路だけでなく海路も存在していたことがわかります。
それでも当時の人々が険しくてつらい山路を選んだ理由は、現代の我々とは違う「道中」のとらえ方にありました。
身心を修練することで諸々の欲望を払いのける修行、山林抖擻(さんりんとそう)という考え方により、道中が苦しければ苦しいほど、罪・穢れを払うことができる、そのために人々はあえて険しくてつらい山路を選んだと説明されました。
今様(当時のはやり歌)を集めた『梁塵秘抄』には、熊野詣は厳しくなくてはいけないという今様も収録されており、当時の人々がどのように熊野詣をとらえていたを知ることができます。
文献に残る記述を拾いながら語られる熊野古道の歴史や熊野詣について、参加者の皆さんも聞き入っていました。
- 熊野古道の成り立ちや古き時代の人々がどのように伊勢熊野をとらえていたのか、どのような存在だったかのかがよくわかりました。たいへんおもしろかったです。今後も三重の歴史と三重の各地の関わりについての講座をしてもらいたいです。
- 大変楽しく興味深い講座でした。熊野古道を是非少し苦労して歩いてみたいと思いました。
- 熊野三山のお話は中々聴講できないので、貴重な機会になりました。