みえミュージアムセミナー海の博物館「ボラのよもやまばなし~イナせな人も、トドのつまりは?~」の事業報告
鳥羽市にある海の博物館で12月17日から開催される特別展「ボラのよもよまばなし」にあわせて、担当学芸員の縣さんに、ご講演いただきました。
江戸時代から昭和の中期までは、ボラ漁は沿岸漁業の中心であり、ボラを使った料理はお刺身、あらい・寿司などとして一般に食べられていました。古くは、平城京の木簡にもボラの別名である「名吉」の記録が残っているそうです。また出世魚として「イナせな人」「オボコい」「トドのつまり」などの言葉が日常に使われているなど、日本人にとってなじみ深い魚でありました。それが、現代では経済の成長とともに増加する汚排水が沈殿し、ボラのエサとなることで、臭い魚というレッテルを貼られるようになり、食卓にも上らなくなってきました。ボラ漁も衰微してしまい、平成18年からは三重県の統計にもボラ漁の記録は無くなってしまったそうです。
講師の縣さんは、今回の特別展で、ボラについて学ぶことで海洋汚染、漁師の減少、多様で豊かな魚食文化の消失、海洋環境の変化など、現代の海をとりまく問題について考えるきっかけになればうれしいと締めくくられました。
- こども時代に食べたボラの話、とても興味深く聴くことができました。
- お話しを聞いてボラという魚を食べてみたくなりました。楽しい講演でした。
- 縣先生のお話は毎回わかりやすくて楽しく聴かせていただきました。