りょうがん所長のつぶやき

白黒テレビに想う・・

友と語り合う中で、東京オリンピックの話でもりあがった。
赤と白の鮮明な日本選手団の入場に感動し、マラソンでは、アベベをまねて、裸足で走り、
女子バレーの回転レシーブを布団のうえでよくやったと。ほうきとバケツで
重量挙げもしたと・・。 
自分は、いつも、正座し近所の金持ちの家で見せてもらい、ついでに夕飯までいただいた。
あれから一気に白黒テレビからカラーテレビへと代わっていった気がする。
しかし、友は口をそろえていうのです。「白黒テレビは、よかった!」と。
白黒テレビは、それはそれは、大切なもので、きれいな布をかぶせていたり、ぴかぴかに
磨かれていたり、家の中心におかれていたり、みんなから見つめてられていたり、
一家のヒーローだったのです。
たまに、番組の取り合いで、兄弟げんか・・・。
きまって兄が言うセリフ。
「俺の方が先に生まれたんや!俺に選ぶ権利がある!それが民主主義や!」
わけのわからん話で、兄のすきなプロレスになる。 
みんなが言うには「白黒テレビには、自分で色を想像し、自分で画面を彩れる!
一人一人の心の瞳で見ていた!」
そうつばを飛ばしながら、良いことをいうのです。
たしかに、ウルトラQのはじまりの、渦のような絵文字は、何色か?
友はそれぞれあの色は灰色とか、ヘドロ色や!とか、赤とか討論が始まるのです。
総天然色映画は、想像力がなくなり白黒の方が迫力があるよなあ・・・。
そう結論がでるのです。
大切だった白黒テレビは、いつからか映りが悪いとバンバン叩かれたり、
白黒テレビ画面の上に、3色のカラーレンズなんかをかぶせられたりして、
ひどい扱いを受けながらカラーテレビへと代わっていき、階段の下の暗闇や
倉庫の闇へ片づけられるのです。
友との話の結論のなかで、不便でモノがあまりないことのほうが、幸せを
自分たちでつくっていける気がしたという。

スマートホン、パソコンと今や熊野弁でも理解してくれるAI。
何から何までやってくれることが、しあわせなのか・・そんな話になる
のです。子どもたちは、モノや情報に溢れている社会で生きている。
まっしろい紙の上には、たくさんの彩りで自分の想いをぶつけ、飾ることができる。 
すでに、たくさんの色で彩られている豪華な紙の上には、自分の想いの色を
書き込むことがどうもうまくいかない・・・

次世代を担う子どもたちは、未来をどんな色で彩り、想像し、どんな社会の幸せを彩って
いくのだろうか・・・。
あほなことしか言わない友達の口からすてきな言葉が発信された。
うなずきながら「ええ話やわ・・」その矢先に、友が屁をした。
その屁の香りで今までの話が霧が晴れるように、消えていった。
東京オリンピックがまた、僕たちのところに、来てくれる。
僕の心の中の映像は、白黒テレビのまま止まっている。 
時の風がふいている・・ついそこで・・・
また・・幸せを探して吹いている。

           万謝 三重県生涯学習センター 所長 長島りょうがん(洋)


やさしい手

5月は「子どもの日」「母の日」そして6月17日は、「父の日」。
この間、幼友達で集まり、食事会をした。この年になると、友達同士集まると薬の話、
病院の話、介護の話、孫の自慢話、そんな話でいっぱいになる。
ひとりの幼友達はもっぱら毛生え薬の自慢話である。
妻にネットで、海外で評判の毛生え薬を買ってもらったという。
この薬、えらいバニラのような良いにおいらしい。頭につけるとそれはそれは、
頭にアイスクリームがのっているようだというのです。
ただ、効くか効かぬかはわからないが、やたら頭にハエやアブ、ハチ、ブト、虫たちが
好んで寄ってきて、頭に毛が生えていると思いきやほとんどが虫らしいのです。
そう言って差し出した頭に、カメムシがのっていた。みんなで爆笑!

もうひとりは、介護の話。老いた父の足の裏を父の日になると、マッサージするという。
そんな時、ボロボロの足の裏、爪もボロボロ、小さくなった足の裏をマッサージすると
涙が流れるという。こんな足で幼かった自分を背負い、反抗期のころも自分を信じ、
この足でずっと待っていてくれたのか。そう思うと涙流れるというのです。
「こんどの父の日も、マッサージして感謝するよ!」話す友の言葉に、自分たちも涙する。
老いは、だれにもやってくる。
ここに、ある方の「やさしい手」という短い文章があります。父や母を想い、感謝とともに
紹介したいと思います。

  「やさしい手」
生まれたばかりの孫の手を握り 
指の細さが わたしに似ていると 嬉しそうにしていた
あなたは 一日に何度もわたしに頭を下げ、どなたですかと聞いてくる
悲しみで潰されそうになりながら そっと手を握れば 
同じ型をした爪が その先まであったかく
確かにわたしの親だとやさしく慰めてくれる
迷惑だなんて言わないで 辛いなんて思わないで 
どんなかたちであれ 今あなたがこうして生きていてくれること 
それがわたしがここにいる 一番の支えなのです
わたしを抱きしめ、わたしを見守り、育ててくれたあなたを 
わたしが今 受け入れて こうして大事にさせてもらうこと
ありがとう ありがとう ありがとう

感謝の日がまた近くにきてくれている・・・

           万謝 三重県生涯学習センター 所長 長島りょうがん(洋)

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