りょうがん所長のつぶやき

踏切から見える風景に想う・・・

遮断機がおり、踏切で電車を待つとき、いつも想う・・・。
どんな人がのっていて、何を思って、どこへ行くんだろう・・。
電車の明るい室内灯に映る人、ひとりひとりが主人公の人生を
どう生きているんだろう・・・そんなことを思ってしまう。
電車の風景に流れる学生の姿に、声をかけてしまう。
「ひとりじゃないか?がんばっているか?」って・・。
スマホを見つめる姿に、「もうすぐ春がくるね」って呼びかけてしまう。
風と一緒にたくさんの想いをのせて、電車は走りすぎた。春にむかって・・・。
ここに心が揺さぶられてしまう詩がある。電車のなかで、ひとりうつむく少女の詩。
ひとりの少女の姿に、問いかける自分がいる。

「夕焼け」  吉野 弘

いつものことだが電車は満員だった。
そしていつものことだが若者と娘が腰をおろし としよりが立っていた。
うつむいていた娘が立って としよりに席をゆずった。
そそくさととしよりがすわった。
礼も言わずにとしよりは次の駅で降りた。
娘はすわった。別のとしよりが娘の前に 横あいから押されてきた。
娘はうつむいた。
しかしまた立って席をそのとしよりにゆずった。
としよりは次の駅で礼を言って降りた。
娘はすわった。
二度あることはと言うとおり別のとしよりが娘の前に 押し出された。
かわいそうに娘はうつむいてそして今度は席を立たなかった。
次の駅も次の駅も下唇をキュッとかんでからだをこわばらせて――。
ぼくは電車を降りた。
固くなってうつむいて娘はどこまで行ったろう。
やさしい心の持ち主はいつでもどこでもわれにもあらず受難者となる。
なぜって やさしい心の持ち主は他人のつらさを自分のつらさのように感じるから。
やさしい心に責められながら娘はどこまでゆけるだろう。
下唇をかんでつらい気持ちで美しい夕焼けも見ないで

           万謝 三重県生涯学習センター 所長 長島りょうがん(洋)

自転車にまたがって♪♪

我がセンターのスタッフが、「自転車かったんですよ~ふへっへ~」とうれしそうに
言うのです。この寒い冬に颯爽と走っていくスタッフの姿に
「かっこえええ~わ!」と感じるのです。
最近の自転車は、軽くて、かっこよくて、ヘルメットなんかもかぶって、
それはそれは、50年ほど前とは、えらいかわっているのです。

はじめて、自転車を父から「これやる!練習せえ!世界がみえてくる!ピッカピカやで!」
わけのわからんことを言われていただいたのが、兄のおさがりで、
泥よけのところに父がペンキで塗っただけのもので、しかも、兄の名前を消して、
「ひろ=し」と自分の名前が、間をあけて汚い字で書かれていた。
自分の身体よりでかい兄の自転車、サドルに乗ることはできず、三角形になった自転車の
隙間に身体をいれて、毎日、こけまくりながら、海の色が赤く染まるまで、防波堤の路を
パッタンパッタンと音をたてて、練習したのです。
はじめて、乗れたときの感動。そのうち、足はつかないが、サドルにまたがって乗った
ときの感動。その感動の先には、見たことない世界がいっぱいありました。
自転車にまたがって行く遠い世界は、まさに、父の言った「世界がみえてくる!」の
言葉そのものでした。
中学生になったころ、お年玉と牛乳配達で貯めたお金ですごい自転車に
またがることになりました。それは、不必要なモノがたくさんついている自転車。
なぜ、あのようなものを買ったんだろう・・。方向指示器がついていて、
音まで出て、しかも、しかも、ギアチェンジが車のレバーのよう。
ライトは丸いモノではなく、四角いライトなんです。スピードメーターもついていて、
絶対出ないであろう、60Kmまで表示されてるのです。
ギアもやたら多く「おれのは、12段ギアやで!」なんて自慢するのが、
その頃の児童の誇りだったのです。
うしろには、折りたたみのかご、泥よけは、派手な色で、昆虫でいうと玉虫のような
天然色満載の自転車でした。

それでも、「この強い風に乗って同じスピードで走ったら、風は感じなくなるんや!」
なんて台風の日に、風といっしょに坂道を走ったり、練習場所だった、防波堤から、
カサをもって「全速力でいって、カサさしたら、空とべるぞ!」なんていうことを言って
ETでもあるまいし、そのまま海に落ちたり、いつのまにやら、たくさんの飾りがほぼ、
なくなり、ボロボロのただの自転車になっておりました。
でも、自転車は、いっぱいの出会いをくれました。

スタッフが嬉しそうに、自転車の話をするとき、自分も少年のころの、カサをさして、
自転車にまたがっている光景が浮かんできて、まったくもって幸せになるのです。

そうだ!自転車を買おう!
ヘルメットもかぶって、北風にむかって颯爽とペダルをこいでみよう! 
新しい年になり、新しい自転車を手に入れ、新しい世界へペダルをこいでみよう!
「自転車にまたがって、君に出会いに・・」なんて歌をうたいながら・・・どこかで、
変なおじさんが自転車にまたがって、鼻水たらして、すごいスピードで走っていたら、
どうか石など、ぶつけないように!新しい学びと出会いがそこに・・・ある気がして。
新しい年にあたらしい、学びとの出会いがあることを信じて・・・。万謝

              三重県生涯学習センター 所長 長島りょうがん(洋)

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