りょうがん所長のつぶやき

はじまり

 

 新しい年号がはじまります。
はじまりのときは、わかれの時でもある気がする。 
職場のスタッフも、子どもの進学で新しいスタートがはじまり、別々に暮らすようになり、
巣立つ我が子を想い、わかれる家族のさみしさを伝えてくれる。
旅立ちには前をみる時でもあるけど、手を振りわかれをつげる時でもある。 
「令和」がはじまり「平成」にわかれを告げるとき、平成の時代に感謝したい。
新しいスタートラインは、どんな人にも、どんな場所にも今そこにひかれている。 
 そう思うと新しい年号に希望をもち、過去に感謝しながら、
スタートをきりたいと思うのです。

 ここに、相田さんの詩があります。  
バトンをもらって、スタートするときが、今かもしれないし、
渡すときが今かもしれない・・・ 
それぞれの いのちのバトンを今、私たちはもっている。

       「自分の番」 
     ~いのちのバトン~

    父と母で二人
    父と母の両親で四人
    そのまた両親で八人
    こうしてかぞえてゆくと 十代前で1024人
    二十代前では なんと百万人 超すんです
    過去  無量の いのちの
    バトンを受けついで
    いまここに
    自分の番を生きている
    
    それが あなたのいのちです
    それが わたしのいのちです
       相田みつを

万謝
              三重県生涯学習センター 所長 長島りょうがん(洋)


マッコウクジラが踊る海 ~熊野~

紀伊半島の先のほうに、マッコウクジラが踊る海がある。熊野・・・。
三方を険しい山々に囲まれ、人々は海を見つめ、暮らしてきたような気がする。
そんな熊野の海に、春から秋にかけてマッコウ鯨の群れがやってきてくれる。
昔から熊野の人々は、鯨を神からの授かり物と崇め、小舟をだし漁師の命と引き替えに
鯨の生命を大切にいただき、生きてきた。
熊野の人々は昔から、神さまからの授かり物として鯨を大切にしてきたのだ。 

「鯨に会いに行こう!」ということになり、潮岬沖合20キロ、黒潮が
大河のように流れるところまで、船に乗り、ひーひーと船酔いしながら行ってきた。
イルカの群れが船のまわりに集まりだしたころ、
突然真っ黒で巨大な生物が目の前に現れた。
マッコウクジラだ!
船よりも大きく、おそらく体長20mはあるだろう。
悠然と潮をふいて泳ぐ姿はまさに神のようだった。 
まわりに目を配るとなんと10頭あまりの群れが子どもや大人、
様々な大きさのマッコウクジラが助け合いながら海面に姿を見せてくれた。

子どものマッコウクジラが興味津々で船に近づいてくる。その子どもを注意するように
お母さんクジラがそばにくる。そのうちお父さんが現れ、近所のおじさんのような
クジラが現れ、たくさんのクジラが、自分を犠牲にしてまで、こどもや仲間を
守ろうとしている。
ひとりにさせない、関わり合う群れのなかで、支え合い生きているのだ。
私たちが忘れかけている、あったかいクジラの社会がそこにあった。
自然の中で生きている動物や植物を見ていると人として忘れてしまっている
大切なものを多く教えてくれているような気がする。

熊野のマッコウクジラは、今日も海底深く潜り、助け合いながら生き、
ときおり顔を出し、熊野灘を踊りながら、人間界をみては、「おいおい!大丈夫か?」と
声をかけてくれているような気がする。
時折、潮を吹く仕草は、私たち日本の社会への警告だろうか・・・。
「結」という、つながりある大切な社会をとりもどせ!という警告だろうか、
私にはそう思えて仕方がなかった。

春になると、熊野の海にマッコウクジラが今年もきてくれる。
忘れかけている「結」という大切なものを黒潮にのせて・・・きてくれる。
新しい出会いと旅立ちの春に、大切なものを届けに、きてくれているよ・・。 

新しい春に、万謝!
              三重県生涯学習センター 所長 長島りょうがん(洋)

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