りょうがん所長のつぶやき

へこきまんじゅうに想いをよせて・・・

名張・四十八滝の入り口に「へこきまんじゅう」というものが売られています。
おもわず、ネーミングに吸い寄せられて、香り、そこで焼いてくれている方のぬくとさ、
たくさんの種類に「すんませーん!これください!」ということになるのです。
ちなみに、屁の香りはしません。
さつまいもをいっぱいに、つかったスイートポテトのような甘さ。幼い頃から、芋を
たべると「屁をこくぞ!」と言われてきたのが、昨日のことのようによみがえります。

子どもの頃は、甘いものや、今のようなお菓子もなく、畑で採れた少しばかり細くて、
曲がりくねった芋が、なによりのおいしいものでした。
学校から帰ると「おーい!おいしい芋たべるかあ?」と母が微笑んで言う。
鍋の中には、蒸し上がったホクホクの芋が、金色に輝いている。
母がその上に、塩をパラパラとふってくれると、もう心は芋に包まれた幸せ少年に
なっている。熱々をほおばると、なぜか「僕はしあわせだなあ・・」って、鼻のよこを
人差し指でなぞって、加山雄三のまねをするのです。兄が帰ってきて芋に飛びつき、
「おらあ、しあわせだなあ・・」って鼻をこする。姉が帰ってきて、芋をわしづかみに
して、口にくわえ「わたし、屁をこかんかなあ・・」って屁のような顔で言う。
すると帰ってきた父が「芋たべたら屁がでるぞぉ~!屁はくさいから、おれは
今日は食べやん!」そういうのです。
ばあちゃんもお母ちゃんもみんな芋をたべるなか、父だけが「おまえら、へこきや!
へこきや!ひょへへへぇ~」と笑いながら、からかうのです。
それから数分・・・僕たちは、芋しあわせワールドのなかで、浸っている時、大きな
屁の音が聞こえてきました。「ぶぼっぉ~ぷっ!ぷ~!」って。
それはあれだけさんざん僕たちをからかい芋を食べなかった、父が、強烈な香りと共に、
大きな屁をこいたのです。
父が、手で香りをあおる仕草をするとみんなが、鼻をつまみ、大笑い。
家族中が、顔をくしゃくしゃにして、芋を握って笑ってる。
芋を真ん中に、家族で大笑いしている風景が、僕の心のなかのカメラにいつまでも、
収まっています。

「へこきまんじゅう」を手にしたとき、その心の中に、おさめた家族写真が何枚も
現像されてきました。心のカメラの映像に涙がこぼれだしました。
今はいない、あのときの家族、そして笑顔がそこにあったのです。
おいしいこのまんじゅうのなかに、しあわせの餡が詰まっていたんです。

もうすぐ、木枯らしが吹く季節。こころ温まるしあわせが、そっとそばでいてくれ
るような気がします。「へこきまんじゅう」・・しょっぱい涙と一緒に、しあわせと
いう名の餡がいっぱいつまっていました。
何気ない風景に、忘れていた大切な家族写真も隠れていました。

           万謝 三重県生涯学習センター 所長 長島りょうがん(洋)

ブリティッシュ・エアウェイの機上にて

今月は、ブリティッシュ・エアウェイの飛行機のなかでのお話です。心がとてもあったか
くなり、考えさせられるお話です。 
また、人として感じたら動けるかどうか・・そう問われているお話です。
感動という言葉は、「感じたら、動く!」と書いています。言葉や行動に、ちがうと
感じたらどう移せるか、それを教えてくれるお話です。
 
この出来事は、南アフリカのヨハネスブルグからイギリスのロンドンに向かうブリテ
ィッシュ・エアウェイの機上で起こりました。
見たところ50歳ほどの白人女性が黒人男性の隣に座ることになりました。信じられ
ないことだとばかりに彼女は、キャビンアテンダントを呼び出して、
「見ればわかるでしょ?私を黒人の横の席にしているのよ。いまいましい人たちの横に
座るなんて、私は承知できません。ほかの席に変えてちょうだい。」
「お静かにお願いします。」キャビンアテンダントは答えました。
「ただいま席があるかどうか確かめてまいりますので。」
彼女はいったん引き、しばらくして戻ってきました。
「お客さま、あいにくエコノミー席に空席がございません。キャプテンにも相談しました
が、ビジネスクラスにも空きは無いとのことでした。ただ、ファーストクラスに一席だけ
空きがございます。」その女性客が返事する一瞬の間も与えず、キャビンアテンダントは
話を続けました。
「私ども会社では、エコノミーのお客様にファーストクラスへお移り願うことはめったに
いたしません。けれども、状況を考えますとこんなひどい方の隣にお客様のどなたかがお
座りになるということは言語道断であるとキャプテンが申しております。」
そして、キャビンアテンダントの彼女は黒人の紳士に向き直り、こういったのです。
「お客様。というわけですので、もしよろしければ、どうかお手荷物をおまとめください。
ファーストクラスにお席をご用意してお待ちしております。」
次の瞬間、ずっとこのやりとりに心を痛めていた周りの乗客が、一斉に立ち上がりました。 
拍手喝采の音がそれに続きました。機内は拍手と賞賛の声が響き渡りました。 
ブリティッシュ・エアウェイの対応に賞賛と感動の声が多く寄せられました。
信念に基づいた正義の行動から感動をもらえることが多くあると思います。
人に語り継がないではいられない粋なストーリーだと自分は思うのです。

           万謝 三重県生涯学習センター 所長 長島りょうがん(洋)

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