植木等主演映画上映会「本日ただいま誕生」の事業報告
1月21日から3月20日まで三重県総合博物館で開催された第14回企画展「植木等と昭和の時代」の関連行事として、植木さんの幻の主演作品とも言われる『本日ただいま誕生』の上映会を2回行いました。両日とも事前申込で満席になり植木さんの人気ぶりがうかがえます。
まずは上映の前に、今回の企画展担当学芸員の宇河さんに、展示作品の内容や植木さんの生い立ちなどの解説をしていただき、植木さんの最期の付人であった藤元さんには、喜劇俳優として一世を風靡したが、僧侶である父親の影響や生い立ちなどもあり、ご本人はとてもまじめな性格であり“無責任男”などを演じる事への心の葛藤もかなりあったこと、今回の映画「本日ただいま誕生」は、社会的な問題に人一倍関心があった植木さんが本当に演じたかった役であったのではないかなど、素顔の植木等さんについて語っていただきました。
お二人のトークの後、「本日ただいま誕生」の上映が始まりました。この作品は、1979年に制作・上映されてからフィルムが行方不明となっていたのですが、2012年に偶然フィルムが発見されて甦りました。第2次世界大戦後、シベリア抑留中に凍傷におかされ両足を切断した主人公が、様々な困難に立ち向かいながら、力強く生きていく半生を描いた作品で、参加者の方の中には、コメディアンとしての植木さんしか知らなかったと驚きをもって観られた方も多かったようです。クレージーキャッツのメンバーや当時活躍していた俳優の方なども多く出演し、なつかしい昭和の時代を満喫した時間となりました。
- 植木等の映画はずいぶん久しぶりでしたが、重いテーマを彼の人間性で演じきったと思います。考えさせられる映画でした。
- はじめにお二人の説明をきいたのが良かったです。
- 改めて昭和のすばらしさと自分たちの育った時代を又改めて少し不自由な時代のすばらしさを感じる事が出来ました。