みえアカデミックセミナー2016
移動講座(紀北町)
皇學館大学公開セミナー
「伊勢路と紀伊路-古道から昔のことを考えよう-」事業報告

開催日
2016年11月27日(日曜日)
開催場所
紀北町東長島公民館
開催時間
13時30分から15時00分まで
講師
皇學館大学研究開発推進センター副センター長・教授 荊木 美行さん
参加者
44名
参加料
無料
共催
皇學館大学・紀北町教育委員会

毎夏に県内の高等教育機関と開催している公開セミナー「みえアカデミックセミナー」に続いて、秋からは、各市町が加わり「みえアカデミックセミナー移動講座」として出張講座を開催しています。今年度は、名張市、熊野市、大台町、尾鷲市、紀北町、菰野町の6市町での開催です。 

みえアカデミックセミナー2016移動講座(全6回)の第5回は、皇學館大学と紀北町教育委員会と共催し、紀北町教育委員会生涯学習課主催の「生涯学習講座」の一環として初開設された「熊野古道を歩く(探訪する)講座の総括も兼ねて開催しました。

たくさんの熊野詣ルートの中でもよく知られている、京都・大阪方面から、紀伊路・大辺路・中辺路を経て那智に至るコース、そして三重県側では伊勢路と呼ばれる古道は、はやくから拓けていました。道中記や、道中案内記、名所図会などの旅の記録を手がかりに命懸けといっても過言でない伊勢路の行程について総括するとともに、和歌山側のルートについてもふれ、当時、和歌山県にあって神社合祀に真っ向から異を唱え、王子とその保存に命をかけた南方熊楠についてもお話しされました。

内容
・熊野古道とは
・観音霊場としての那智
・旅を書き残す
・田丸から逢鹿瀬まで
・三瀬坂峠と瀧原宮
・峠を越えて長島へ
・紀伊路と王子
・廃絶する王子
・南方熊楠の反対運動

世界遺産登録以降、いっそう人気に盛り上がりをみせる熊野古道ですが、旅の途中で力尽きた人々の供養塔が祀られるほど命懸けの旅だったようです。伊勢路には「古道」といわれるに相応しい長い歴史があり、この街道にはここを訪れた多くの人の思いが込められている。自分の足で古道を踏み締めながら、かつてそこを歩いて熊野に向かった人々の信仰心や、あるいは、彼らのために道標を立て、常夜灯に明かりを灯し、石畳を整備し、旅行者の安全をサポートした路次の住民たちの優しさ、道で目に留まった王子にかつて盛んだった熊野詣に思いを馳せてみてはと締めくくられ、皆さんも熱心に聴き入られていました。講演後もたくさんの方が質問をされていました。

参加者の声

  • 道中記、道中案内記、西国名所図会に分けてのお話で、よくわかりました。ありがとうございました。
  • はぎれよく、わかりやすくて大変面白かったです。もう少し聞きたかったぐらいです。参考になりました。
  • 5回の熊野古道に参加させていただき、本日の講座をまとめとして、講話は非常に意義深いものとなりました。ありがとうございました。
  • 熊野古道を歩く時に、今日のようなお話を思い出し、昔の人たちの想いを感じながら歩けるとよいなぁと感じた。
  • 自分の歩いた道を復習できて良かったです。