りょうがん所長のつぶやき

羊羹の話から想う

教師になろうとしたときに教えてもらった話です。 
これは、「ようかん」のお話です。大学の先生があつく語ってくれました。
生活保護をうけていて、本当に貧しかった母子家庭の話。
その母親は、家庭訪問の日、先生が来るから、というので、自分の食事を削って
「ようかん」をおやつに買っておきました。
ところが、その先生は家庭訪問の間にその「ようかん」を食べませんでした。
そのまま帰ろうとしたので、母親がその「ようかん」を包んで、「是非お持ち帰りください」と
渡しました。教師はそれを黙って受け取ったのですが、家を出て数メートル行った所のごみ箱に
あっさりとそれを捨てたのです。
その「ようかん」を後で母子が見つけて、はらはらと抱き合い、悲しい涙を流したのです。
ゴミ箱に捨てられた「ようかん」をじっと見つめたまま、涙を流し続けたのです。

この話をした、大学の先生はこう語っています。「こういう人間は教師になる資格はない、
他を想う心がないものは子どもと関わるな!」と・・・。
この話に僕は、涙が流れて止まりませんでした。
教師をしていて、子どもたちは様々な想いを抱えて一生懸命、自分をみつめてくれて、
話しかけてくれます。その想いをこころから受け止めるためには、自分自身の心が
豊かでないと、なかなか、その想いを受け取ることができません。
豊か・・それは、他を想える心だと僕は思うのです。なかなかできませんが。
たくさんの子どもたちとの出会いのなかで、いつも、この羊羹の話を思い出し、
自分に問いかけるのです。
「一人にぼっちになっていないか・・・独りにさせてないか・・・」ずっと問いかけるのです。

今、生涯学習センターにいる自分はこの考えは、大人も同じだと想うようになってきました。
世間にはたくさんの風が吹いている気がします。方向もバラバラで、そよ風の時もあれば、
強風もある。でも、風の強いときは、支え合い、風が優しいときは、ともに感じあい、ひとりぼっちで
風に吹かれないように関わりあえること。独りにさせない社会が今、求められている。
みんな、独りじゃないよ・・そう風が伝えている。

生涯学習そのものは、一人でも学ぶことができる。ただ、できるならば、誰かと共に学びあったり、
その学びを地域や近くの人に活かすことができたら、どれほど豊かな社会ができるだろうか・・・
学びの風が、みなさんの心に届くことをずっと願っています。
春・新しい年度がスタートしました。     万謝

                      三重県生涯学習センター 所長 長島りょうがん

日本一短い手紙コンクールから想う

1月に待ちに待ったコンクールの発表がありました。福井県の丸岡城のあるすてきな
町。ここにギターを抱えてお邪魔したときに、町のみなさんが「りょうがんさん!
うちには、自慢できるコンクールがあるぞぉーん!」といわれて以来、ずっとファン
になって楽しみにしているものです。
短い文の中から、人の温かさがつたわり、忘れかけている手紙のもつ力に再度きづか
されるのです。短く、そして、あたたかく、僕にはこんな文章はかけないよなあ・・
そう自問自答しながら、春の日にほっこりとさせてもらうのです。
  「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」
日本一古い天守閣をもつ丸岡城に、この手紙文が刻まれた石碑があります。徳川家康
の家臣、本多作左衛門重次が陣中から妻に宛てたこの手紙には、家を守り、家族を愛
し、忠義を尽くす思いが短い文の中に簡潔に込められています。お仙とは後の丸岡
城主、本多成重のことです。
一筆啓上賞は日本で一番古い丸岡城に日本一短い手紙文があることを全国に知っても
らうとともに、活字やメールでは伝わらない本物の手紙文化の復権を目指すという
目的で、全国初の手紙のコンクールとして平成五年(1993)に始まりました。
今年のテーマは「ごめんなさい」短い手紙からあたたかいものが伝わってきます。
応募総数44,348通から大賞に選ばれたものです。
ほっこりできることを願って紹介します♪♪

              三重県生涯学習センター 所長 長島りょうがん

第24回一筆啓上賞 日本一短い手紙「ごめんなさい」 大賞
「やさしかったお父さんへ」
 臨終の床、涙のごめんなさい に一瞬甦って私を見つめたね。
 無言の許しだったと信じます。           
               兵庫県 久保みつよ 62歳
「お母さんへ」
 お母さん、ごめんなさい。 実は私 一番好きなのは、ばあちゃんなの。
               福井県 上杉 千里  9歳 
「旦那へ」
 貴方をおどろかせようと コツコツ貯めたへそくり 
 貯まりすぎて 一生言えない ごめんなさい     
               東京都 高下 由紀子 50歳
「ママへ」
 「ごめん」って ぼくの口は あかないんだ 
 口に力が入って。手に力を入れて書くよ。ごめん   
               千葉県 佐藤 蓮   7歳 
「家族のみんなへ」
 いつも わがままで ごめんなさい。 でも、本当の自分は もっと わがまま
               福井県 大井 美羽   8歳 

このページの先頭へ

メニュー