1. 県民・利用者の満足度を維持向上させる高品質なサービス提供

大勢のお客様をお迎えし、ご利用いただく集客施設として、顧客満足度の高いサービスを提供するために、総合文化センターの運営に、ISO9001マネジメントシステムを活用しており、職員の日々の業務として定着しています。日々の維持修繕、遠隔地からのバスツアー、託児サービス付き公演、貸館におけるおまかせサービスなどは、お客様の貴重なご意見や職員の提案を生かしたPDCAサイクルによる継続的な改善例です。引き続き、お客様の立場にたった運営に努めるとともに、総合文化センターにおける実績をもとに、三重県立図書館、三重県総合博物館、三重県立美術館の業務にも可能な限り高品質なサービスを展開していくことで顧客満足度の維持向上を図ります。

2.  安全・安心を最優先とした施設運営

東日本大震災をはじめとしてここ近年各地で発生している大地震等の自然災害や高まっているテロの脅威等に対し、文化施設においてもより高い防災・防犯意識や対策が問われています。私たちは、伊勢志摩サミットにおけるテロ対策や皇太子殿下来館時の厳重対応、台風等による避難者の受け入れ等、確実な緊急対応を行い関係者から一定の評価を受けています。
ハード面では、開館29年目を迎える総合文化センター、開館41年目を迎える県立美術館の老朽化が進んでおり、維持管理方法が利用者の安全確保・事故防止にも大きく影響します。また、総合博物館においても将来同様の問題が発生します。
そのため、計画的かつ積極的な予防修繕や、近い将来起こりうる南海トラフ大地震をはじめとした災害やテロ等の緊急対応に対しても、危機管理マニュアルの徹底、実態に沿った訓練による対応力向上に一層努め、お客様の安全・安心を最優先した施設運営を目指します。

3.  文化振興を担う専門人材と、みえの文化を担う次世代の育成

私たちはこれまで29年間にわたる総合文化センターの指定管理者として、文化芸術、生涯学習及び男女共同参画社会づくりに関わる各事業の経験を通じて、専門的知識やノウハウを蓄積し続けてきています。ここ近年、その高い運営実績から、全国の劇場や業界関係者からの講師依頼や先進地視察も多く、県内外から私たちの組織の専門性が高く評価されています。専門性を高めることが、質の高い事業の企画・実施の源泉と理解しており、今後も実践的な資質や能力を蓄積し続け、更に質の高い専門集団を目指していきます。
また、これからのみえの文化を支える担い手を育てる取り組みとして、若いころから本物の文化にふれ親しみ、理解を深める機会が重要であると認識しています。この考え方のもと、これまで多様な鑑賞・体験・参画の機会を提供してきました。引き続き、アート教育の視点を持って、質の高い事業を展開することにより、10年後、20年後のみえを担う人間性や「創造力・想像力」の豊かな人づくりに貢献していきます。

4. 誰もが利用しやすい施設づくりと利用者の公平性の担保

県立の文化施設として、そして、公益の増進を担う公益財団法人として、誰もが利用しやすい施設づくりを目指しています。これまで、ユニバーサルデザインによるまちづくりの観点から、施設のバリアフリー化や和式トイレの洋式化等の施設改修に取り組むとともに、託児サービス、良質で低料金の事業や、社会的に不利な立場にある方々の支援にも取り組んできました。引き続き「誰もが利用しやすい」観点からの事業や、受動喫煙防止への対応などにも取り組むとともに、文化の多様な機能が注目される中、社会包摂の観点をもった事業にも注力していきます。また、多額の税金を原資に運営されている公的施設であることから、公正で公平な運営となるよう整備した規程や規則等に基づき運営し、施設利用、チケット販売等の各種サービス面や、各種契約締結をはじめとした運営面全般において、公正・公平性を担保した取組みを進めます。

5.  公益性と収益性を両立した安定的な財政運営

県立の中核的な文化施設としての役割や、公益財団法人としての使命から、公益性の高い取組は重要と考えています。同時に、顧客満足度の高い、高品質なサービスを継続して提供していくためには、安定的な財政基盤が必要であり、経営的な観点は必須です。このため、現指定管理期間においても公益性と収益性のバランスを取りつつ、安定的な財政基盤の構築に努めてきました。
引き続き、公益性の高い事業を実施する上においても常に経営的な観点を持つこと、公益性の高い事業と収益が見込まれる事業のバランスを取ること、自己収入の拡充に取り組むこと、委託業務の内容や執行方法の見直し等により経費を節約することなどに取り組むことにより、多彩な事業を展開しつつ安定的な財政運営を行っていきます。

6.  文化交流ゾーンによるシナジー効果を活かした魅力的な施設づくり

三重県総合文化センター、三重県立図書館、三重県総合博物館、三重県立美術館が集積する「文化交流ゾーン」については、私たちのこれまでの取り組みにより徐々に一体性が醸し出され、その魅力が認識されつつあります。この流れを本格化するため、各館の連携事業を更に充実するとともに、情報発信力を強化することにより文化交流ゾーンとしての魅力を更に高めていきます。各施設が発揮する独自性と文化交流ゾーンとしての魅力が相まって、各施設の効用が最大限発揮されることを目指します。